3D art works
Johann Perathoner
1986年、パリに生まれる。幼い頃からパリなどの都市を描くことに熱中した。フランスの有名なポストカード会社であるカルトダール社のスタッフにイラストを気に入られ、まだ14才であった2000年に同社よりポストカードをリリースした。それ以降、ヨハン・ペラトーネルの才能と情熱は広く認められていき、大都市をテーマとした作品を創り上げる道に進んだのである。
彼の作品の最大の特徴は、いくつもの層により立体感を出す3D作品であることだ。都市特有の様々な人々や文化が混ざり合って生まれる活気や、美しい眺めをリアルに表現するべく、この技法を用いている。こうしたユニークな作品はフランス国内のみならず、海外のアート業界からも注目を浴びている。
彼の創作意欲を掻き立てるのは、大都市のエネルギーである。様々な文化が集まることによって生まれる、大都市ならではのエネルギーだ。人々で賑わう道や一つ一つ違った雰囲気を持つ街区、カラフルに光る大きな看板、日の当たるテラス、立ち並ぶ高層ビル、そして数えきれないほどの人が集まって生まれる熱気までも表現する。彼が表現するのは、その都市のありのままの姿なのだ。
街全体をスケッチした後、サインペンで輪郭を縁取り、アクリルやパステルなどの画材で色を付ける。そして奥行きや空間を表現するためレイヤーを重ね、その上にカラフルなラインストーンやスパンコール、ラメを散りばめ、都市が持つ華やかな輝きを表現している。時には透明の素材や鏡のように反射する素材も使用し、さらなるリアルさを追求する。こういった作業をいくつかの部分に分けて繰り返すという、忍耐を要する作品作りなのである。彼は一つの作品を完成させるのに、平均して500時間をも費やす。作品の規模によっては1000時間以上もかかるものもあるほど、一つ一つの作品に対して情熱を捧げている。 ポップアートというジャンルにおけるアーティスト、チャールズ・ファジーノやジェームス・リジーなどを原点としながらも、よりリアルで繊細なアプローチで都市を表現するのがヨハン・ペラトーネルの作品なのである。