ヨハン・ペラトーネル 特集 2

ヨハン・ペラトーネル 作品制作

@まず大まかな構図を決めると、鉛筆でスケッチを描き、マーカーやアクリル絵具、パステルなどで色付けします。

Aこれをスキャナーでパソコンに取り込み、さらに色やトーンを細かく調整していきます。
B採色が変わると、レイヤーを作るためのシートを出力します。
C描いた建物やモチーフに併せて、繊細な作業の出来る特殊なカッターを使ってシートをカットします。

Dカットしたモチーフをレイヤー状に貼り込んで行きます。ラインストーンやスパンコール、ラメなど輝く素材が欠かせません。

E長い時間を費やし、時には2mを超える対策を制作するペラトーネル画伯。深みのある特注の額を付けて、完成です。


ヨハン・ペラトーネル画伯よりコメント
-2015.8ー

群衆が音楽を奏でる感覚を作品に

日本の皆さん初めまして。今回皆さんに私の作品を紹介出来る機会を持つことになり、心から嬉しく思っています。
日本を訪れるのは初めてでしたが、現代的で先進的な文化を持つ国というイメージ通り、あらゆるものがとてもシンプルで利便性に富んでいて、人々が生活の中の小さなものごとを尊重し、深く追及しているという印象を受けました。人々もお互いをとても理解・尊重しあっていて、調和と平穏の中に暮らしている感じがしました。
今回は東京だけの滞在でしたが、訪れた中では特に渋谷の街が興味深かったですね。まさに東京を象徴する場所です。
あの巨大スクランブル交差点で1000人以上の様々な人が行き交う光景はじっと観ていても飽きることがありません。まるで音楽のように、一瞬で流れがピタッと止まるのも面白い光景でした。ごく普通の生活を送る人々と大きな建物とが混在し、オーケストラの演奏のように町中に漂っている感じと言えいいのでしょうか。ニューヨークのタイムズスクエアとも似ています。東京をテーマとする作品では、群衆が音楽を奏でているようなあの感覚をぜひ表現したいと思いました。

現代性と伝統をひとつの中で表現

東京はとても現代的な街です。優れた建築構造を持つビルにはどれも威厳があり、車はスムーズに流れ、多くの人々が行き交っている。そうした現代性の一方で、そこには独自の伝統文化があり、世界のどの街とも似ていない特別な場所だと思います。この現代性と独自文化の混合も、ぜひとも作品に活かしたいことでした。
東京は視覚的にもとても豊かな街なので、有名なスポットを一つの作品に収めるのはとても難しいことでした。実はこれには新宿の パークハイアットホテルの最上階からの眺めがとても参考になったんですよ。
色々な意味で東京をテーマに描くことは大きな挑戦となりましたが、可能な限りの技法を使って高層ビルや公園、大通り、張り巡らされた電線にいたるまで、観る人に東京の日常やエネルギー、言い換えれば「東京の魂」を感じ取ってもらえる作品に仕上げたつもりです。
逆に、まだイメージの段階ですが、次は東京タワーだけにフォーカスした作品も作ってみたいですね。これまでの作品とは大きく違ったものになるに違いありません。東京スカイツリーや六本木ヒルズ、レインボーブリッジ、あるいは緑におおわれた皇居の風景なども単独で描いてみたい対象です。